こんにちは。
髪のお悩み解消を叶えるヘアサロン「美容室ルグラン 浜松」
艶髪(つやかみ)再生アドバイザー@田中です。
今年の夏を過ぎた頃からでしょうか?
サロンでの顧客様との会話の中でも登場する機会が増え、その都度アドバイスをしておりました「シリコンとノンシリコン」について。
そんな折、今月に入って「ノンシリコン」に関する問合せが3件ほど続いて寄せられた事もあり。。。
間違った認識を持たれたままですと、今後のヘアケアに悪影響を及ぼしかねないので、今回このブログ上でお答えさせていただくことに至りました。
「シリコン」って、いったい何モノ?
本来「シリコン」とは、人間の体内では合成できない鉱物の一種である「ケイ素という天然ミネラル」のことを指します。
毛髪のキューティクルは、この天然ミネラルであるケイ素に一番近い成分で出来ていると言われています。
一方、昨今のシャンプーやトリートメントなどの整髪料に入っているシリコンは鉱物由来のミネラルとは異なり、化学の力で造られた合成品で「シリコーン」が正式名称です。
化学合成品である「シリコーン」は「シリコン」とたった一文字しか違いませんが、本来のシリコンとは似て非なるまったくの異質物で、主に「ジメチコン」「シロキサン」「シリカ」という成分名で呼ばれています。
この化学合成品である「シリコーン」は大きく分類すると
◆油をプラスした「シリコーン油」
◆アンモニアのように空気中に蒸発しやすい「揮発性シリコーン」
◆水に溶けやすい物質をプラスした「水溶性シリコーン」
の3つのタイプがあります。
シリコーン油・タイプ
様々な油をプラスしたシリコーン油は、以下のような名称で商品のパッケージに表示されています。
・ジメチコン
・ジメチコール
・トリシロキサン
・トリメチルシロキシケイ酸
・ステアロキシトリメチルシラン
・メチコン
・カプリリルメチコン
・ステアリルジメチコン
・セチルジメチコン
・フェニルジメチコン
・(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー
・アルキル(CX-CXX)ジメチコン
・ポリシリコーン◯◯◯◯
揮発性シリコーン・タイプ
アンモニアのように蒸発しやすい揮発性シリコーンは、以下のような名称で商品のパッケージに表示されています。
・シクロメチコン
・シクロテトラメチコン
・シクロペンタメチコン
・シクロへキサメチコン
水溶性シリコーン・タイプ
水に溶けやすい物質をプラスした水溶性シリコーンは、以下のような名称で商品のパッケージに表示されています。
・ジメチコンポリオール
・PEG※1〜ジメチコン
・PEG※1〜メチルエーテルジメチコン
・PCA※2-Naメチルシラノール
・PEG/PPG※3〜ジメチコン
・アミノプロピルジメチコン
・アモジメチコン
・(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロプロピル加水分解コラーゲン
・ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン
・メチルシラノール乳酸
・リシンシラントリオール
※1:PEG(ポリエチレングリコール(polyethylene glycol))は、エチレングリコールから造られる高分子化合物(ポリエーテル)で無毒な故、様々な分野で使用。
※2:PCA(パラクロロアニリン(英: p-Chloroaniline))は、アニリンから造られる有機化合物で、農薬、アゾ染料・顔料、化粧品、医薬品などに使用。
※3:PPG(ポリプロピレングリコール(polypropyleneglycol))は、ポリエーテルの一種で溶剤を組み合わせる際の添加剤として用いられています。
艶髪(つやかみ)再生アドバイザー@田中からのアドバイス
一部の大手美容メーカーでは、シリコンの配合の有無にかかわらず、毛髪や地肌に悪い影響を及ぼさないとの見解をされています。
また、とある美容家の方も、シリコンは髪や頭皮に悪いということはなく、キューティクルのささくれ防止に有効と述べています。
こちらは以下の記事を参照にしております。
「ノンシリコンの宣伝はやや過激な場合がある。従来から販売されているシャンプーの多くはシリコンが配合されており、シリコン配合のシャンプーを“悪者”として扱っている。「シリコンは地肌の毛穴に詰まる」「シリコンはパーマ・ヘアカラーに悪影響を与える」「シリコンは有効成分の浸透を妨げる」などのトラブルが発生しやすいと指摘」
「 花王は昨年末にシリコンに対する見解を公開した。「通常の使用方法で、地肌の毛穴のつまりを起すことはなく、成分の浸透を妨げることがないことを確認しています」「シリコン配合有無によるパーマ・ヘアカラーの効果の違いは見られません」と主張している。
資生堂も同様に、「シリコンが抜け毛やダメージの原因になるという考え方が広まっています。しかし実際には、シリコンが毛穴に詰まったり、毛髪や地肌に悪影響を及ぼすことはありません」「シリコン配合のシャンプーとシリコンを配合していないシャンプーでは、どちらも毛髪や地肌に悪い影響を及ぼすことはありません」と記載している。」「大手化粧品会社の研究員の経歴を持ち、12月14日に書籍「なまけ美容入門「を主婦の友社より出版予定である、コスメコンシェルジュの小西さやかさんは「シリコンが髪や頭皮に悪いという論文は見当たりません」という。むしろ、「シリコンが、髪のダメージによるキューティクルのリフトアップ(剥離)の防止に有効という論文があります」と小西さん。つまり、データに基づく学術的な世界では、シリコンが悪者であるという学説は今のところ市民権を得ていない。シリコンを利用するようになって数十年を経てもそうした論文が発表されていない状況からみて、今後も有力な学説となる可能性はあまり期待できない。」
「ノンシリコンvsシリコン 効能をめぐりシャンプー論争勃発」ダイヤモンドオンラインの記事より抜粋。
しかし、30年来美容という仕事の現場に携わり、髪の健康を求め続けた私の見解は異なります。
1つは、整髪料に配合している成分を「シリコーン」ではなく「シリコン」としていること。
最初にも述べたように、「シリコーン」と「シリコン」では全く異質なものであるにも関わらず、私たち美容師や消費者に誤解を招く表記をしている所にあります。
2つめは、「ノンシリコンvsシリコン 効能をめぐりシャンプー論争勃発」にある記事を読み進めていただくとわかりますが、「シリコーン」が毛髪や頭皮に影響が無いと言う検証データがどの美容メーカーも非公開であり、確固たる実証も示さず不利益になるであろう事はひたすら隠し続けているにも関わらず「シリコーンは安全」というその企業姿勢に、甚だ疑問を感じずに入られません。
毛髪化学を突き詰めていくと、「シリコン配合」「ノンシリコン」どちらの整髪料類についても、髪のパサつき・切れ毛などの相談が10年前よりも減っているどころか急増している現状を考えますと、髪本来の働きを阻害していると考えております。
本来「シャンプー後の髪のキシミ」は、キューティクルを引き締める事によって内面のタンパク質を守る、収斂(しゅうれん)作用という素髪だけが持つ自然な力なのです。
しかし、大手の美容メーカー・著名な美容家・一般的な美容室などでは、この「シャンプー後の髪のキシミ」を髪の傷み(ダメージ)として扱い、リンス・トリートメントで手触りを滑らかにする手当てが傷んだ髪を綺麗にするとのアドバイスをされています。
しかし、この大手の美容メーカーや美容家たちが勧めている手当てを繰り返した結果はどうでしょう?
一時的には手触りは良くなるが1〜2週間もすると「髪がパサつく」といった症状を感じてしまい、、、
近年のメディアには様々な美容情報が氾濫しており、何を信じて良いか不安な事と思います。
私も職業柄、美容情報はこまめにチェックさせていただいておりますが、何の確証も得られていないモノや、大手の美容メーカーの情報をただ写したただけのものが大半で、発信者が特定できない情報は信じるに値しないと思って頂いた方が賢明かと思います。
私は、市内のサロンに通っていた25年ほど前から、傷んだ髪に良いとされる「リンス・コンデショナー・トリートメント・スタイリング剤」などの整髪料類に疑問を感じ始めていました。
その後マイサロンをオープンし、2年経過した16年ほど前に奇跡的な出会いを果たして以来、ご来店頂いている顧客様より支持を頂いている「毛髪再生理論」では、“使えば使う程髪は傷んでしまう”という見解から、リンス・トリートメントを使わずに髪本来の引き締め力を取り戻す手当てで髪の健康を再生しています。
健康で美しい髪を育てていくために必要なことは、栄養補給ではなく、髪の中に溜まっている老廃物(美容成分・油脂分・空気に含まれている酸化物等の汚れ)を取り除く手当てを繰り返す事で、少しづつ本来持っている髪の自然治癒力が甦ってくるのです。
どうしても「手触りが良い=綺麗になった」と錯覚してしまいますが、実は髪を傷めているのです。
「髪がキシム」状態が続くと、このまま傷みが治らないのでは?と心配になってしまう気持ちもわかりますが、改善しないお手入れを続けて悪化させる方が髪にとっては酷というもの。
本気で髪の健康をお考えのあなたには、勇気を振り絞って今すぐリンス・トリートメントの使用を中止することをお勧めいたします。